あたしは死ねばいいと思う。
  ブスだし、デブだし、チビだし、特に友達も居ない。
  何やったって失敗ばかり。
  生きてる価値ない、みたいな。

  あたしは焼かれて死ぬのが相応しいと思う。
  あたしみたいな人間は、じわじわ、じわじわ、もがき苦しみながら死んでくのが一番似合う。

  あたしはいつも通り、テレビを見ながらビールと柿ピーをつまんで、そのままの服で床に就いた。
  意識が微睡んでく中で、あたしはひたすらに火葬職人を待った。

  火葬職人。
  正体なんか知らない。
  頭の中で火葬してほしい奴の名前と、日時と場所、それからお好みで焼き加減を想像しながら、
  「火葬職人、火葬職人、骨の髄まで燃やしてください」と唱えれば完了だ。
  あとは火葬職人が動くのを待てばいい。

  あたしの焼き加減は勿論レアだ。
  あたしみたいな奴は死ぬまでじわじわ、生焼けにされればいい。

  このまま二度と目を覚ます事はないのだろうと思うと、すごく気分が良い。
  別に天国と地獄なんて信じてないけど、今はそれが現実味を帯びて感じる。
  
  ああ、早く来て。
  早くあたしを焼き殺して。

  あたしが強く念じた途端、あたしの鼻腔いっぱいに待ち望んだ匂いが流れ込んできた。

  それはあたしの皮が、肉が、骨が焼ける匂い。

  あまりにも嬉しくて、あたしは大声をあげて泣き喚いた。