ALTEMIS

こびり付く記憶だけが何時までも酷く苦い
もしも全てが消え失せ中身が無くなる時は
この弓を手に取って笑うのか
この弓を棄てるのか

疲れたこの身は何処で癒そうか
弓が呼ぶ「楽になるよ」とせがんでく

この脳に矢を放てば彼のように死ねるだろうか
彼のため 何をすべきか分からない
自分さえ分からない

もう傷だらけなのに何処を撃てば?
立ち上がる力も殆ど無いくせに

私に未来を詠む力があれば こんな哀惜などしなくて済んだのに

嗚呼
銀の馬車から覗く三ツ星は
相変わらず強く凛々しく美しい